2025年2月1日土曜日

散文  2025年1月

 アンパンマンの誕生日にはふたつの説がある。ひとつはやなせたかし先生の誕生日でもある2月6日、もうひとつは日本テレビでアニメの放映が始まった日である10月3日。ぼくは2月説を支持している。ぼくも同じ誕生日だから。
 ただ、ぼくはアンパンマンよりばいきんまんが好きだ。ヒールレスラーの悲哀にも似た佇まいが好きだ。勝てるはずのない戦いから逃げることのない愚直さが好きだ。
(2025年1月24日)



 午前3時、窓の外を見たら星が降り積もっていた。
 この町では、24時間の降星量が15センチメートル以上であれば除星車が出動する。たぶん今朝は作業があるはずだ。除星車はロケットのような音を伴ってやってくるので、熟睡していたとしても目が覚める。耳を澄ますともう既に遠くの方で作業をしているようだった。
 外に出て両手で星を掬ってみた。ひとつひとつの星は透きとおってとてもはかない存在だ。それなのに大量に降り積もると脅威でしかない。星たちはいずれ河川敷に設置された星捨て場に運ばれて、そこで燃え尽きる日を待つ。そのころぼくたちは春に浮かれていて、その日がやってきたことに気づくことはない。
(2025年1月31日)