午前五時半の始発。普段見ることのない景色。闇に包まれた街へ向かう電車は高揚感も陰鬱な空気もなく、ただ不釣り合いに明るい。そこから放り出されると午前六時の札幌駅。夜と朝が入り混じったひとの流れにぼくは溺れることさえできなかった。
(2024年12月5日)
ワレワレハウチュウジンダ
玄関を開けたら宇宙人がいて、申し訳なさそうにそう言った。ワレワレと言うのだから一人ではないはすだがどうみても一人しかいなかった。我々と言うなら仲間を連れてこいと言い放ちぼくはドアを閉じた。そしてふと思った。
もしかして彼が言うワレワレとは彼とぼくのことを指していたのだろうか。この星で彼はひとりぼっちだったのかもしれない。そんなことを考えていると急に可哀想に思えて再びドアを開けた。宇宙人はもうそこにはいなかった。
(2024年12月26日)