2024年12月31日火曜日

短歌  2024年12月

オリオンのほかに星座を知らなくて名もない電車が通過しました




オリオンが玄関前で待っていた素直になれと言わんばかりに




半分の月を浮かべた夕空に何を加えてみても足りない




何もかも埋もれてしまえ飾られた記憶の中で生きたくはない




妖精が夜更けに舞い降りたような白い秩序を踏みつける朝




一年で一番長い夜だからはじまりのない詩を書いている




どこまでも遠く離れた太陽に凍えたかった冬の一日




不器用で燃えることなど出来なくて気づいて欲しいぼくの行間




夕暮れに無くしたはずのため息が手帳の隅でみつかりました




良いことも良くないこともあるけれど今日を流してくれる生姜湯




荒れ狂う雪を宥めることもなく冷え切った手で守る約束




雪山に酔ったからだを投げ出せば星にもなれるような気がする




クリスマスなんてなかったかのようにカボチャの馬車が過ぎてゆく夜




静寂の深さを確かめるように積もった雪に足を埋める

 

 

音楽を奏でるように星たちを並べただけの年が暮れゆく