オリオンのほかに星座を知らなくて名もない電車が通過しました
オリオンが玄関前で待っていた素直になれと言わんばかりに
半分の月を浮かべた夕空に何を加えてみても足りない
何もかも埋もれてしまえ飾られた記憶の中で生きたくはない
妖精が夜更けに舞い降りたような白い秩序を踏みつける朝
一年で一番長い夜だからはじまりのない詩を書いている
どこまでも遠く離れた太陽に凍えたかった冬の一日
不器用で燃えることなど出来なくて気づいて欲しいぼくの行間
夕暮れに無くしたはずのため息が手帳の隅でみつかりました
良いことも良くないこともあるけれど今日を流してくれる生姜湯
荒れ狂う雪を宥めることもなく冷え切った手で守る約束
雪山に酔ったからだを投げ出せば星にもなれるような気がする
クリスマスなんてなかったかのようにカボチャの馬車が過ぎてゆく夜
静寂の深さを確かめるように積もった雪に足を埋める
音楽を奏でるように星たちを並べただけの年が暮れゆく