2024年11月2日土曜日

短歌  2024年8月

揃わないピース並べてたらればを語ってみても日曜の夜




きみが描く宇宙に迷い込みたくてメロンソーダに浮かぶ夕空




夏なんて浮かれた恋のようなもの少し痛みに鈍くなるだけ




きみのこと知りたくなってオーロラも流星もない空を眺める




夏の夜いつかあなたが見せてくれた海辺で笑う夢をみていた




生温い目覚めのシャワー浴びながら夢から覚めても見続ける夢




空き缶が転がる音がしてあとは加速してばかりの恋でした




遺言にはプチョヘンザとでも書いておけ意味はあとからついてくるから




ぼくだけが取り残された残像にもう戻せない夏を貫く




追いかけることに夢中になり過ぎて夏のおわりを告げにくる月




本当はきみの名前を呼びたくて詩にもならない貝をならべる




ぼくたちは巻き戻せない場所にいてそれでも何も言い出せずにいる




夜更けには雨も降り出すことだろう恋に満たないまま散る花火




降り続く雨にも事情あるだろう傘がなくてもぼくは歩くよ




台風はどのあたりまで来てますか好きと言っても良い夜ですか