眩しすぎる振幅から逃げたくて
金魚になりたい毒を吐いていた
(2024年7月2日)
プラネタリウムに夏の磁力が
素直になればいいだけのこと
(2024年7月3日)
天の川なんて見えない谷間で
届くことのない歌を繰り返す
(2024年7月5日)
夏の正体を見破ることもできず
風鈴の音をただ追いかけていた
(2024年7月6日)
ふたりは夜空を見上げていて
それぞれの星座を探している
(2024年7月7日)
自転車のかごに夏の断片
時間は波となり繰り返す
(2024年7月9日)
喧噪の消えた球場のため息
ひとりで眺める月は重たい
(2024年7月15日)
しあわせに定義はなく
神社が風に靡いている
(2024年7月19日)
週末のひろがる雲を憂いて
きみの窓は晴れていますか
(2024年7月20日)
ラベンダー色の約束だから
ほろ苦い風を待っているよ
(2024年7月20日)
陽射しが夏の仰角ならば
見透かされてしまう心情
(2024年7月21日)
果てなく空を手にしたかったんだ
ぼくたちを忘れてしまうとしても
(2024年7月25日)
あなたの光が見つかるように
ただようだけの舟でありたい
(2024年7月26日)
あなたの星空が泣いているから
夢意味な夜に溶けてしまいたい
(2024年7月27日)
屋根を開けるということ
わすれゆくひなたの記憶
(2024年7月27日)
記憶だったものが浮遊する夕刻
現実は仮想の集合体でしかない
(2024年7月28日)
雨音に悪意がないのは知ってるけど
きみが好きだと言った歌が聞こえて
(2024年7月29日)
ぼくがいなくなった窓を開けて
変わらないことはこんな寂しい
(2024年7月30日)