2024年11月30日土曜日

散文  2024年11月

 昨夜は飲みすぎた。職場の飲み会だったけど、たくさんのひとから「おめでとう」と声をかけられた。ベイスターズファンはここらでは珍種だから。話はホエールズ/ベイスターズの歴史から川崎球場の話へ。そして話題の主役は大仁田厚になっていた。酒の席での会話はいかにきれいな受け身を取るか。そういう意味ではプロレスなのだと思う。
(2024年11月9日)




 ぼくはいままでずっと詩を書きたいのだと思っていた。でももしかしたらそうではないのかもしれないと思い始めている。それが詩であってもそうでなくても。好きなものを好きなように書けばいい。ついいろいろ考えちゃうけれど、思いのままに書きゃえんよ。
(2024年11月12日)




 思考が走り出してしまうと。
 書くことは楽しくなるけれど、書かれたものはつまらなくなる。自分の場合は。
 思考を止めるのは難しいけど、冬の向かい風やホッとした時の柚子湯は強制的に思考を止めてくれる。もちろん柚子湯のほうが好きだけど、より身近に存在するのは向かい風だ。
(2024年11月19日)




 初冬の天文台。岬に吹きすさぶ風。薄い雲の向こう側で日が傾き始めている。日本海は季節を問わず雄弁だけど、そのメッセージを素直に受け取ることができない程度に波は激しい。車のラジオは札幌のFMを拾っていて、雑音混じりの洋楽が最果て感を盛り上げてくれている。見晴らしの良い丘にいて、ここからどこへ向かおうとも寂から逃れることはできないだろう。

 流れる雲を見ながら、四半世紀ほど前の、北海道初山別村の光景を思い出している。こんな日はアイリッシュコーヒーを飲みたくなる。
(2024年11月28日)